2000

律子P「千早ちゃんに繋いでもらえますか?」

小鳥「では千早ちゃんに電話を繋ぎます」

住宅街に着いた千早は足を止めて耳を澄ましていた。

パタパタと雨の振る音だけを聞いていた。

千早「…」
不意に携帯電話が震える。

千早「はい」

律子P「どうだい?」

千早「うーん…見当たらないですね」

律子P「そうか…どうしたもんだろうね」

千早「?…ちょっと待ってください」
千早が再び耳を澄ます。

少し離れた場所から微かに音が聞こえた。

ガシャンと何か固いものが落ちてくる音が続いて聞こえる。

街灯が向こうから歩いてくる人影を照らし出す。

千早「見つけました…律子です。間違いありません」
物陰に隠れた千早が律子の姿を確認する。

律子P「住宅街だよね?」

千早「はい、海の方に向かってるのだと思います」

律子P「分かった。今行くよ。千早ちゃんは事務所に戻っててくれるかい」

千早「追わなくてもいいので?」

律子P「うん、後は任せておいて。千早ちゃんも疲れてる中、ありがとうね」

千早「分かりました。では先に事務所に戻りますね」

律子P「うん、ありがとう」

















2010
美希は今にもスキップしそうな勢いで笑顔を振りまいて傘をクルクル回しながら砂浜に沿って歩いていた。

美希「3千円分のおにぎりかぁ〜」
キラキラと瞳を輝かせて律子を探している。

美希「思った程寒くなかったみたいなの♪」
適当に作ったおにぎりの鼻歌を歌いながら歩いている。

しばらくすると少し離れた場所にお下げを二つ下げた眼鏡の女の子がトボトボと歩いていた。

公園の方をキョロキョロと伺いながら何かを探している様だった。

美希「アハッ♪」
律子の行く末を傘の影から視線で追う。

美希「みぃ〜つけた」
そう呟くと美希はポチポチと携帯を操作し始めた。

2030

プロデューサーの携帯から電子音が流れる。

律子P「誰だこれ?」
パカッと携帯を開く。

律子P「もしもし?」

美希「プロデューサーさん?」

律子P「美希ちゃん?」

美希「ミキだよっ!律子!…さん、見つけたの♪」

律子P「ほ、ほんとに!?」

美希「うんっ!んと、海の公園を砂浜に沿って歩いてたの。何か探してるみたいだったから雨宿りとかすると思うな♪」

律子P「分かった、すぐ行くよ!」

美希「お願いね!ミキは事務所に帰っておにぎり食べてるからっ♪」

律子P「うん、本当ありがとうね。もし足りなかったらおにぎりなら奢るから」

美希「ほんとっ!?約束だよっ!?あはっ♪じゃあ、ばいば〜い」
美希は通話終了ボタンを押すと文字通り心を弾ませながら事務所への道に着いた。

律子P「これでかなり絞れたな…。よしっ!」
プロデューサーは砂浜に沿って歩き出し、雨宿りできそうな場所を一つ一つ当たっていった。























2100

律子P「ハァハァッ。くそっ…迂闊だった、こんなに沢山あるとは…」
21箇所の休憩所を当たって元来た場所に戻ってくると反対側に向かって走り出した。

律子P「すこしあそこで休もうかな…」

反対側の最初の一つである四角錘の屋根の付いた休憩所を目指す。

一本の柱の外側に堪らず寄りかかる。

足が微かに震えていた。

上がる息は白く広がると空に溶けていった。

律子「はぁ…」
律子を探して3時間近くが経つ。

五里霧中の様な状態から後一歩の所まで来ている気がしていた。

律子P「(一服したらまた頑張るかな)」
そう思うとプロデューサーは煙草を咥えジッポで火を点ける。

律子P「ふぅ」
息とは違った白い気体が勢い良く飛んでいくとしばらくして空に溶け込んだ。

雨は止みそうもなくパラパラと降っている。

同じ空を律子もも見ているのだろうか?

つくづく今日の自分は情けない。

律子の気持ちも考えてやれず安心させてあげる事すら出来ない。

今会えたらどんなに嬉しいだろう?

会えたら律子はどんな顔をするだろうか?

もう会えないのだろうか?

瞳を閉じると律子のの顔が思い浮かんだ。

律子P「律子…何処行ったんだ…」
??「プロデューサーに…会いたい…」
プロデューサーの口から漏れた言葉が違う言葉と重なり合う。

律子P「え!?」
??「っ!?」
恐る恐る後ろを確認する。

反対側に居たとおぼしき人物が同じ様に顔だけ柱から覗かせていた。

眼鏡を掛けた顔の後ろからピョンとお下げが二つ下げている。。

プロデューサーを確認するとその人は身構えて小さく後退りする。

そしてビクッと震えた様に見えた。

律子P「そんなにずぶ濡れで一体いずこへ?」
皮肉交じりの優しい声に律子もクスリと微笑んだ。

律子「プロデューサーこそ、人の事言えるんですか?」
律子の言葉にプロデューサーは「ハハッ」と苦笑した。

律子P「心配したぞ」
その声を聞いた瞬間、突如衝撃が走り律子は持っていた缶を落とした。

律子「え…」
気が付くと律子は肩と腰を抱き締められていた。

ピシャリと頬に水の感触が押し付けられる。

律子P「やっと捕まえた」
そう言うとプロデューサーはギュッときつく律子を抱きしめた。

おめでとうございます&お疲れ様でした!
攻略など何も無いでたらめにつくったゲームでしたがSSとは少し違った雰囲気を感じて頂けたでしょうか?
もうすぐネタが尽きそうな気もしますが色々とやっていこうと思いますのでこれからもよろしくお願いします><

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