< Feel. It's a New Zenith.>
律子P「律子っ!」
プロデューサーも慌てて事務所を飛び出した。
外に出ると雨がポツポツと降り出していた。
歩道に出て左右を見渡すも律子の姿は既に見えなかった。
律子P「てことは曲がったか」
一本隣の道を曲がって反対側の歩道に出るもやはり律子は見当たらなかった。
律子P「そんな簡単に追いかけさせては貰えないか…やれやれ」
空を見上げてプロデューサーは呟いた。
律子P「雨…止みそうに無いな」
小さく溜息を吐いてプロデューサーは走り出した。
雨足が強くなる中、律子はあても無く走っていっていた。
すぐに追いつかれる事が無い様に曲がっては進むを繰り返していた。
雨濡れているのも省みずただひたすらに走り続ける。
涙が滲んでいる所為で、眼鏡が雨の水滴で見えにくくなっていたのも気にはならなかった。
走るのを止め肩で息をしながら追っ手が来ないのを確認するとゆっくりと歩き出した。
陽が落ちるのがまだまだ早い2月の夕方、雨の所為もあり辺りはすっかり暗くなっていた。
眼鏡を押し上げながら涙を拭う。
何故こんなにも哀しいのだろう?
何故涙が止まらないのだろう?
何故こんな風になってもまだプロデューサーを想ってしまうのだろう…
何故好きな事を認めてしまったんだろう…
認めなければきっとこうなってもそんなに辛くなかったはずなのに…
そんな事を考えているとますます気が滅入ってくる。
でもどうしてもそれを止める事が出来なかった。
自分を責めなければ矛先はきっとプロデューサーに向いてしまう。
今の律子にはもうプロデューサーを嫌うことは出来る筈もなかった。
肩が上がるたびに息が白く舞い上がって静かに溶けていく。
幸いにもこの寒空の下で雨が降る中、人の姿は殆ど無かった。
変装をしていない素の律子に気付いて人だかりが出来る事は無かった。
もし見つかったとしても先入観で「まさか、こんなところに一人で」と言った考えが思いついてしまうのだろう。
律子「こんな所写真に取られたら洒落にならないわね…」
一人呟くとグイッと涙を拭う。
とにかくもっと静かな所に行って落ち着いて休みたいと思っていた。
とぼとぼと歩き続ける。
しばらく歩くと辺りは先程と違ってデパートが立ち並ぶ駅前に差し掛かっていた。
律子「人を隠すなら人の中へ…って言うのもありかしら」
人ごみに紛れると少し俯き加減に歩き出す。
何なのだろう。
追われているからなのかやけに人の視線が気になって何度も後ろを振り返る。
そしてまた自責の念にさいなまされる。
自分から逃げておいて追いかけてきてもらいたい自分が居る。
勝手に裏切られた気持ちになってプロデューサーを悪者にしている自分。
飛び出しておいてプロデューサーの顔が見たいと思う自分。
考える事全てに於いて自分が嫌いな矛盾が生じている事に気付く。
プロデューサーを想う様になってから自分が自分でなくなってしまった様な気がする。
自分らしくない考え方。
自分らしくない行動。そして
自分らしくない想い…。
これが恋と言うものなのだろうか?
思い通りになると余計に嬉しくて余計に喜んで。
思い通りにならないと余計に落ち込んで余計に泣いて。
いつまで経っても頭から離れない…
そう思うと律子は気持ちを振り払おうと頭を横に振った。
小さく溜息を吐いて顔を上げて歩き出す。
律子「っ!?」
反射的に身を潜める。
律子「春香?」
少し離れた場所から春香が歩いている。
春香は傘も差さず肩で上下させ白い息を舞い上げながらキョロキョロと辺りを見回していた。
携帯電話を耳に当てている事から誰かと通話をしている様だった。
そしてしばらくするとおもむろに自分の居る方向に向かって走ってきた。
律子は顔を引っ込めると店の壁に背を向けた。
横目で様子を伺っていると春香は律子に気付かずそのまま真っ直ぐ走って行った。
胸を撫で下ろして春香が走って行った方向と逆に向かって歩き出す。
春香の様子からして自分を探しているに違いないと判断した律子はここから離れて人気の無い所を目指した。
街路樹の立ち並ぶショッピングモールを抜け閑静な住宅街に差し掛かると小洒落たマンションからはちらほら明かりが見える。
近くにあった自動販売機で暖かいコーヒーを買うとそのまま歩き出す。
近くからは小波の音が聞こえてきていた。
どれ位歩いてきたのだろう。
腕時計を確認すると時計の針は20時に差しかかろうとしていた。
降り続いている雨はお構い無しに律子の体温を奪っていく。
律子「私とした事がこんな風になって…もう人の事言えないわね」
濡れたおさげを一瞥すると暖かいコーヒーを明けて一口啜る。
コーヒーが通り過ぎた所がほんの少し暖まるのが感じられた。
「はぁ」と溜息を吐くと一際白い息が舞い上がる。
缶で両手を暖めながら律子は海に向かってまっすぐ歩き出した。
??「みぃ〜つけた」
徐々に近づく波の音を感じながら律子は雨宿りが出来る場所が無いか砂浜に沿って歩いていた。
砂浜を残しながらも手を加え憩いのスペースを設置してあるこの海は公園と呼べる程に整備がしてあった。
その一角に4本の大きな柱が屋根を支えているスペースを発見すると律子はそこを目指して歩き出した。
ベンチも何も無い、ただ柱が四角錐の屋根を支えているだけの場所だった。
柱に寄りかかりぬるくなったコーヒーを啜る。
律子「はぁ…明日からどうしよう」
後先考えずに飛び出して来てしまった為、ふと不安に駆られた。
プロデューサーに会わす顔が無い。
他の仲間達にもなんと申し訳をすればいいんだろう。
プロデューサーは自分を探しているだろうか?
仲間達も心配しているだろうか?
そう思うと自分がとんでもない事を今しでかしているのではないかと不安をかきたてた。
戻るべきか戻らないべきか…
戻るとしたらどんな顔をして戻ればいいのか…
戻らないならなんと言い訳すればいいのか…
こんな時プロデューサーならなんと言ってくれるのだろうか…
どんな答えを導き出してくれるのだろうか…
海を見つめながらそんな事を思っていると急に寂しくなって再び涙が零れ始めた。
なんで今日の私はこんなにも泣き虫なんだろう。
いつから寂しがり屋になったのだろう。
律子「ぅ、ひっく。なんで…すん。うぅ…涙が、止まっらないのょ…」
しばらくその場で律子は泣き崩れていた。
好きだと想う気持ちも、嘘を吐かれたと感じる悲しみも押さえ様が無く溢れ続けていた。
律子「うぅ…ど、して…」
すっかり冷え切った体を抱く様にして律子は泣き続けていた。
不意に背後から人の気配が感じられた。
条件反射的に必死で息を止める。
後ろ目に様子を伺うとその人は律子と反対側の柱に寄りかかっていた。
肩で息をしていたかと思うとカチンと金属音がする。
ゆらゆらと明かりが灯される。
カチャッと音がすると明かりはふっと消された。
??「ふぅ」
息とは違った白い気体が勢い良く飛んでいくとしばらくして空に溶け込んだ。
律子「…(煙草、か)」
確認すると律子は顔を戻して空を見上げた。
雨は止みそうもなくパラパラと降っている。
同じ空をプロデューサーも見ているのかと思うとまた視界がぼやけてきた。
つくづく今日の自分は泣き虫だ。
プロデューサーの事を考えるだけで感情を抑えることすら出来ない。
今会えたらどんなに嬉しいだろう?
会えたらプロデューサーは怒るだろうか?
もう会えないのだろうか?
瞳を閉じるとプロデューサーの顔が思い浮かんだ。
律子「プロデューサーに…会いたい…」
??「律子…何処行ったんだ…」
律子の口から漏れた言葉が違う言葉と重なり合う。
律子「っ!?」
??「え!?」
恐る恐る後ろを確認する。
その人も同じ様に顔だけ柱から覗かせていた。
頬の横で細い鎖が揺れている。
律子を確認するとその人は顔だけでなく体ごとこちらに向き直った。
そしてクスッと笑った様に見えた。
??「そんなにずぶ濡れで一体いずこへ?」
皮肉交じりの優しい声に律子もクスリと微笑んだ。
律子「プロデューサーこそ、人の事言えるんですか?」
律子の言葉にプロデューサーは「ハハッ」と苦笑した。
律子P「心配したぞ」
その声を聞いた瞬間、突如衝撃が走り律子は持っていた缶を落とした。
律子「え…」
気が付くと律子は肩と腰を抱き締められていた。
ピシャリと頬に水の感触が押し付けられる。
律子P「やっと捕まえた」
そう言うとプロデューサーはギュッときつく律子を抱きしめた。
律子「だめっ!」
反射的にプロデューサーから離れようとしたが思うように力が入らなかった。
涙が零れる。
律子「いやっ!離して…これ、いじょう…」
好きにさせないで…
そう思っていた。
また同じ事を繰り返してしまう。
辛い思いをしてしまう。
させてしまう。
プロデューサーの優しさがただただ怖かった。
律子「嘘を吐く人は…嫌いです」
律子の言葉にプロデューサーはいつもと変わらない様子で答えた。
律子P「嘘なんて、律子に吐いた事は一度も無いよ」
律子「それも嘘…だってあんなの…」
グイッと押し返そうとする律子をプロデューサーは放さなかった。
律子P「苦いから不味い、甘くないからチョコじゃないって言うのは先入観なんじゃないの?律子らしくもない」
律子「っ!?」
律子P「甘くないチョコだってあるよ、それに律子はあのチョコの効果で選んでくれたんじゃないの?」
プロデューサーは律子を抱きしめたまま続けた。
律子「すんっ…ひく…」
律子P「そもそも完成品を味見したの?トッピングもホワイトチョコも甘かったよ」
言い返せなかった。
チョコそのものの味は確認したがトッピングやホワイトチョコレートまでは味見をしていないのは確かだった。
律子P「まったく…人を勝手に嘘吐き呼ばわりして、酷い話だ」
「ククッ」と笑いながらプロデューサーは言った。
律子P「それに…律子の気持ちはちゃんと分かってるつもりだよ」
律子「え…」
律子P「同じ気持ちだったら嬉しいな」
律子「そ、れ…って」
プロデューサーは照れくさそうに鼻の頭を掻いた。
律子P「今後も俺の傍に居てくれるかい?その、恋人…として」
プロデューサーはまっすぐ律子の顔を見つめていた。
律子「あ…ぅ…」
思わぬ告白に律子はボッと赤面した。
律子P「まぁ、想ってたのも好きになってたのも律子だけじゃなかったって事で」
恥ずかしさに耐え切れなくなったプロデューサーが堪らず視線を逸らせる。
律子「…」
しばらく上目遣いで律子はプロデューサーの顔を見つめていた。
普段冷静なプロデューサーが落ち着きなく照れくさそうにしているのを見るとなんだか少し可笑しくなってくる。
そしてプロデューサーのシャツを小さく掴み胸に顔を預ける。
律子「好きになっても、いいんですよね…?」
あまりにも意外な事で確認を取る律子に対してプロデューサーは答えた。
律子P「そうなってくれると嬉しいよ」
プロデューサーの言葉に律子の頬を暖かい涙が伝った。
律子「本当に?ほんとっの…うく…ほ、とに?…すんっ」
嬉しかった。
律子P「本当だよ。律子の事、俺も好きだよ」
その言葉を耳にして安心した所為か涙が止まらなくなっていた。
律子「ほん…とです、か?」
何度も確認したかった。
何度も答えを聞きたかった。
律子P「信用が無いんだな、俺って…」
プロデューサーは少し考えると眼鏡を外し律子の頬に手を伸ばした。
律子「んっ」
見開いた律子の瞳にはプロデューサーの閉じた目が映し出されていた。
唇から微かにプロデューサーの体温が伝わってくる。
自分の置かれた立場を把握すると律子はギュッとシャツを掴む手に少し力を込めそっと瞳を閉じた。
大きな涙の雫が律子の頬を滑っていく。
好き…
その言葉だけを頭の中で何度も繰り返していた。
ゆっくりと重ねられていた唇が離れていく。
律子「ふっ…うっく、ひっく…うぅ」
律子P「これで好きになるなって言ったらどうする?」
悪戯っぽくプロデューサーが微笑む。
律子「そんなの、無理に決まってるじゃないですか…」
律子「こんな風にされて…好きになるななんて…」
律子「私だって…女の子なんですよ…」
すんっと鼻を鳴らしてむくれる律子をみてプロデューサーは「ははっ」笑った。
律子P「ごめん、嘘吐き呼ばわりされた仕返しにちょっといじめたくなっただけ」
素直に答えるプロデューサーを見て律子はシュンと視線を落とした。
律子「すみません…」
そんな律子を見てプロデューサーポンポンと律子の頭を撫でた。
律子P「さて、事務所に帰るよ。風邪ひきそうだ」
プロデューサーは携帯で何やら操作すると律子の手を取って歩き出した。
律子「…」
不意に手を繋がれ律子はどうしようもなく恥ずかしくなった。
それと同時にプロデューサーに対する愛しさが今まで以上に込み上げてきた。
グイッと涙を拭う。
律子「プロデューサー?」
呼び止められたプロデューサーは立ち止まると律子に振り返った。
律子P「ん?」
優しさ、切なさ
想う嬉しさ、想われる喜び
涙を拭う為の希望、もう一歩を歩みだす為の勇気
そして思い出を…
律子P「ありがとう♪」
ホワイトデー当日
ランクが上がった律子は忙しい毎日を送りながらも相変わらず事務の仕事を手伝っていた。
律子P「おはようございます」
プロデューサーが事務所に入ってくると律子は笑顔を向けた。
律子「おはようございます」
律子P「今日も事務手伝ってるのか」
律子「ダメですか?」
律子「いいや、ちょうど良い少しミーティングルームで話せるかい?」
律子「ええ、構いませんけど…」
入って来た格好のままミーティングルームに入るプロデューサーに続く。
律子「一体どうしたんです?」
不思議がって聞く律子に対してプロデューサーは言いにくそうに話し出した。
律子P「実は…」
プロデューサーが口を開く。
律子「解散ですか!?」
デビューしてまだ3ヶ月程しか経たない異例の解散宣言だった。
律子P「まぁまぁ落ち着いて」
律子「落ち着いてなんて居られませんよ!」
律子P「形の上では解散だけど、言うなれば新ユニット結成の為の解散だから」
律子「?」
眉を寄せる律子に対してプロデューサーは続けた。
律子P「社長から提案があってね。双海姉妹をユニットに加えようかと思うんだ」
律子「亜美真美を?」
律子P「CM見学以来、妙に懐かれちゃってね…」
律子P「まあそれは良いとしても亜美ちゃん達が居れば律子が出られない時に営業とか回れるからね」
プロデューサーの申し出に律子は腕を組んで考えた。
言われて見れば亜美真美が居れば事務の仕事を充実させる事も出来るかもしれない。
律子「う〜ん」
律子P「どうかな?」
律子「フフッ、どうせ決まってるんでしょ。私が言った所で」
律子P「んん〜〜、まぁね」
律子「構いませんよ」
律子の同意を得るとプロデューサーの顔が少し明るくなった。
律子P「良かった」
律子「たーだーし」
律子P「但し…?」
律子「分かってると思いますが、私と一緒に居る時間が疎かにならない様に」
そう言うと律子は左目をパチッと閉じた。
律子P「それは、大丈夫だと思う」
律子「思う〜?」
律子P「ああ、そうだ!」
プロデューサーが思いついた様に鞄を漁り出す。
小さな箱が中から出てきた。
律子P「これ、バレンタインのお返し。俺の趣味で決めちゃったけど」
サッと律子に手渡す。
律子「あ…ありがとうございます。開けても良いですか?」
律子P「どうぞ」
律子「何かしら?」
ワクワクしながら包みを開けると中からいい香りが漂ってきた。
小さな箱を開けると中から香水の瓶が出てくる。
律子「あはっ可愛い」
取り出すとバッグの形をした瓶に薄い水色の香水が満たされていた。
律子P「見た目だけでも気に入ってもらえた?」
律子「はい!」
香ってみると微かにバニラの甘い香りがする。
律子P「アナスイの<Sui Dreams(スイドリームス)>って言うんだ」
律子「名前も可愛らしいんですねぇ」
律子P「女の子っぽい香水も良いかなって。夢を叶えるという願いをこめてつくられたらしいんだ」
律子P「今の律子にはピッタリかなと思って」
律子「プロデューサー、ありがとう!」
律子P「いえいえ、どう致しまして。さ、新しい門出だし気合入れていこう」
律子「そうですね!」
律子P「とは言っても社長との話し合いに少し時間があるんだよな…」
律子「そう言う時って困りますよね…やる事はあるのに待たなきゃいけない時って」
律子が言うとプロデューサーは鞄の中から一冊の雑誌を取り出した。
律子P「時間はあるけどこの場を離れる訳にもいかないしね」
プロデューサーが雑誌を開くとページには黒と白に分かれた四角が幾つも連なって大きな正四角が作られていた。
所々アルファベットが書かれている。
律子「クロスワード?」
律子P「そう。手伝ってくれるかい?」
プロデューサーの言葉に律子はクスッと微笑んだ。
律子「私、そう言うの得意ですよ♪」
自信有り気に言うと律子はプロデューサーの隣に腰掛けた。
肩を並べて雑誌の問題を解いていく。
律子P「ok、なになに。答えは4文字か」
ふむふむと呟きながらプロデューサーはカギを読み出した。
律子P「縦のカギ@はっと、 <それのもの> …?なんだろこれ」
律子「it's とかじゃないんですか?」
律子の言葉にプロデューサーはポンと手を叩いた。
律子P「なぁるほどね、文字数も合うね。てことは答えの二文字目は i だね」
サラサラとページに鉛筆で書き込む。
律子「縦Aは? <あたらしい> これは new でしょ」
今度は律子がシャーペンでページに書き込んでいく。
律子P「横の@は <感じている、感じ> で2文字目が e 5文字目が i か。 Feeling? 」
確認するプロデューサーに律子は満足そうに頷いた。
律子「だと答えの最初は F ですね」
律子P「律子がいると早いなぁ。英語は苦手なんだ…」
律子「まだ最後が残ってますよ」
最後のカギに取り掛かる。
律子P「<天頂> …全く思いつかないけど」
プロデューサーは鉛筆を投げ出して律子に一任する姿勢を取った。
律子は考えていた。
そして実感していた。
これからも今と同じ様に…いや、これまで以上に
亜美と真美を加えてプロデューサーと一緒に進んで行くのに違いない。
他の誰よりも信頼出来るこの人と新しく
トップアイドルと言う天頂に向かって…。
社長「二人とも、待たせて済まなかった。こっちに来たまえ」
社長の言葉に我に返った律子はシャーペンをページの上に放り投げた。
律子「はい!」
律子P「はい」
二人が社長室へ入るとドアはゆっくりと閉じられた。
そして数ヵ月後、ここから誕生した新しいユニットがゆっくりとトップアイドルを目指し天頂への道を登って行くことになる。
「 Feel It's a New Zenith.」